コラム
2010年度 「変革の時代への挑戦」
コラム「変革の時代への挑戦」は豊橋創造大学大学院の各教授により、
時代の変革をテーマに、中部経済新聞にて連載しています。毎月第2水曜日に掲載!
vol11. 対応力と変化する力 情報の多様性と相互作用
経済活動等のデータの複雑さと組織行動における振る舞いの複雑さには、ある種の相似性が認められる。情報ネットワークにおいても同様の現象が見られるが、その変化は速くダイナミックである。
まず、経済や組織活動における複雑さについて述べる。経済活動等の振る舞いの複雑さはシステムの非線形性が原因であり、一般的にカオス現象やカオス特性と呼ばれる。個体や組織が淘汰に対応するため多様性や有機的結合等を持つとカオス特性を示すようになり、内部の非線形性がシステム全体のゆらぎを生成するため、同定や予測、制御等が難しくなる。現実的には状態が分岐した直後、早期の対応で好ましくない状態を回避できる。
さて、ネット上の情報蓄積や流量等に焦点を当てて捉えなおすと、情報の集中と分散として同様の現象を見る事ができる。ネット上の情報の流量を相互作用とし、情報は多様性を保ちつつ離散集合しながら凝集すると考えると良い。現在のように有力サーバヘのアクセス集中やデータ集積等がそれである。集中した段階で安定しそうだが、実際には収束しない。
情報個々の観点から考えると、情報自身も淘汰圧に対して生き残るため活性化してレベルを変化させる必要がある。情報に生存の意思は無いが、他に対して様々なレベルが低いと死滅情報となり、活性化していれば生存できる。そして情報も活動レベルが変化するとき、しばしば過渡的にカオス特性を持ち、不安定な状態を無事通過する必要がある。
最後に組織ツールとしての情報ネットについて述べる。組織が変化するためには集団の相互作用を変化させることが有効である。端的には情報ネットを利用し相互作用を増加させれば、組織を活性化できる。 ただし、情報も組織も活性化してレベルが上がると、情報は更新等によって、組織においてはさらなる相互作用の改善等が常に必要になる。
乱暴な議論であるが、情報や組織行動における類似性を意識し、更新や活性化の重要性に留意することが変化に対応する要点と考える。
教授 今井 正文