コラム
2010年度 「変革の時代への挑戦」
コラム「変革の時代への挑戦」は豊橋創造大学大学院の各教授により、
時代の変革をテーマに、中部経済新聞にて連載しています。毎月第2水曜日に掲載!
vol8. 「中小企業憲章」をより崇高に 生産水準をリーマン以前へ
「甲子園の優勝を花だとすると、花は枝、枝は幹が支え、全体を支えているのは目に見えない根っこ。小さいことを確実にこなすことが、根っこづくり」。今夏、高校野球を連覇した沖縄、興南野球部監督の言葉だ。多くの中小企業経営者ならずとも心打たれるものがある。戦後、日本の中小企業は多くの苦難を乗り越えてきた。ドル・石油価格の変動、バブル、そして今回の世界同時不況であり、リーマンショック以前の生産水準を取り戻したいと苦心しているのが中小企業経営の現状である。
さて、先般6月「中小企業憲章」が決定・公表された。日本の中小企業が、成長、雇用の確保など社会の発展に極めて重要な役割を果たすことが高く宣言されたのである。これはEUにおける「小企業憲章」を手本とし、中小企業家と関係諸団体、行政などの意見、事例を踏まえ、各省庁参加の上、決定されたものである。中小企業の役割の重要性を「憲章」として「起草」されたものが公式に確認されたのだ。これは、日本の中小企業が「活力ある担い手」であるのみならず、企業者1人1人の行動が社会発展に貢献していると日本政府が公式に認めた事でもあると解釈したい。
興南の優勝は沖縄県民の喜びでもあろう。野球監督は、選手たちを支える指揮者、影の立役者であるが、中小企業経営者は、選手であり、指揮者=選手である。それもピッチャー・4番バッターだ。技術・経営の革新という課題に応え、決勝戦にそなえたい。
教授 森田 和正