コラム

2011年度 「教育新生に向けた改革」

コラム「教育新生に向けた改革」は豊橋創造大学大学院の各教授により、
時代の変革をテーマに、中部経済新聞にて連載しています。毎月第2水曜日に掲載!

vol2. 「何が幸福か」考える社会に 21世紀に求められる価値観

 成熟した資本主義諸国においては、21世紀に機能した市場原理だけでは解決が困難な諸問題(グローバリゼーション、地球温暖化問題、医療・福祉問題、等々)を抱えており、これらを解決するためには、すでに10数年を経過した21世紀の原理が求められている。いわゆるポスト資本主義の原理である。

 ドラッカーは、来るべき21世紀の社会である「ネクスト・ソサエティ」(2002年に翻訳版が出版)において、「これからの20年〜30年は、経済ではなく社会が主役にならなくてはならない」と述べており、市場経済では短絡的な予測しか可能ではなく、長期的視点から社会をマネジメントするには、政府、企業および市民センター(第三セクター、NPO)の三つのセクターが必要となると主張している。

また、オーストラリアの経済学者であるクライヴ・ハミルトンの主張によれば、ポスト成長時代の新たな哲学は「幸福主義」であり、そこでは、人々が個人的にも集団的にも、本当に満ち足りた状態に到達するための活動が追求でき、人間にとって「何が幸福か」考える社会となる。「仕事と生活の、社会と地域の、 個人と大衆の、経済と道徳の統合が再建され、システムの機能的な要求と全員の目的が一致し、各人の目的と歴史の意昧が一致する」社会の構築である。(クライヴ・ハミルトン"GROWTH FETISH"、2003年より)

 かつてアダム・スミスが「国富論」を発表するに当たって、その価値観の前提となる「道徳感情論」から始めたように、市場原理に変わる21世紀に求められる原理構築のためには、新たな「価値観」が必要とされていると思われる。

教授 石田 宏之

専門:ロジスティクス・マネジメント

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