コラム

2011年度 「教育新生に向けた改革」

コラム「教育新生に向けた改革」は豊橋創造大学大学院の各教授により、
時代の変革をテーマに、中部経済新聞にて連載しています。毎月第2水曜日に掲載!

vol3. フラットな組織の多様性と相互作用 組織の多様性と凝集性の制御

 大学には、教育機関と研究機関の二つの役割がある。最近は改めて教育機関としての役割、基礎教育と実践教育のバランス等、様々な議論がされている。

 ところで、大学組織は、事務組織と教育組織からなるが、一般に事務組織はピラミッド型、教育組織は相対的にはフラット型の二つの組織形態が並存している。学校と学生、サービスする側とされる側が場と情報を共有し活動していると見ても大まかにはフラットな組織といえる。

 組織は目的や機能を持ち、目的達成のためには構成員は利他的行動をするが、フラットな組織において凝集性が低い場合には利己的な行動が見られる。実際に学生はしばしば利己的な行動を示す。

 組織の凝集性は、目的、地位、役割、規範、相互作用などから生成される。また、凝集性や多様性、魅力等により相互作用および活動量は生成される。学生、教員集団等の比較的フラットな組織では、凝集性はいかに生成、作用するのだろうか。

 個々の機能や役割が明確でない集団では、凝集性は各構成員の魅力や相互作用、集団の目標や規模等の要素により決まる。初期の学生集団がこれで、相互作用と凝集性の関係性から、目的、相互作用が制御の基本となる。集団形成が進めば、通常の組織のように目標規範や役割が自律的な行動の要因となる。

教員組織の場合、役割や地位、目標規範や成果規範が示されていれば、集団の凝集性が高い程、集団が持つ規範の拘束力は強く、共有目標に対する活動量が上がり、結果として成果が出るはずである。しかし、個体や組織が淘汰に対応するためには多様性や有機的結合等が必要である。また、目標規範等のレベルが低い状態で組織の凝集性だけを高めると生産性が下がる。また、高すぎる凝集性や外部との隔絶、支配的リーダーが存在する場合等には、集団合意を優先してグループシンクに陥り易い。これを避けるためには、異なる意見や多様かつ建設的な視点からの批判的評価、選択肢の分析等に配慮が必要である。

教授 今井 正文

専門:経営システム工学

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