コラム
2011年度 「教育新生に向けた改革」
コラム「教育新生に向けた改革」は豊橋創造大学大学院の各教授により、
時代の変革をテーマに、中部経済新聞にて連載しています。毎月第2水曜日に掲載!
vol4. 学生参加型講義の展開 アクティブラーニングの講義への導入
米国の National Training Laboratories による学習定着率の調査では、授業から半年後に内容を覚えているかどうかを学習形式により分類比較した結果、「講義」では定着率は僅か5%しかなく、「読書」でも10%にとどまる一方、「グループ討論」では50%に、「他の人に教える」では90%にまで上昇することが報告されている。講義内で学生同士が討論するだけではく、教えあうことで学習へのモチベーションが向上し、学習定着率はより上昇する。
学生の講義への参加を促す教育手法として、一方的に知識を伝達する従来の受動的な講義形態ではなく、課題研究や発表、討論・議論など学生の能動的な学習を取り込んだアクティブラーニングが注目されている。
学生の講義への参加を促す教育手法として、一方的に知識を伝達する従来の受動的な講義形態ではなく、課題研究や発表、討論・議論など学生の能動的な学習を取り込んだアクティブラーニングが注目されている。
言葉としては新しいアクティブラーニングという教育手法は、これまでも大学教育の中に一部では組み入れられてきた。工学系・理科系学部に多く見られる実験・実習科目は、まさにアクティブラーニングそのものである。人文社会系科目においても、講義中心の伝達型教育を学習者中心の教育へ転換し、討論や発表を通して学生の参加を促す講義運営が求められている。
一方で、アクティブラーニングの実践に際して考慮すべき問題もある。日常知だけの討論・議論は、たとえその機会が増えたとしても無意味である。「何を学んだか」、「何を学ぶべきか」を考えさせ、専門知識と連動させた議論を展開させることが重要である。
また、教員には学生間の活発な議論を引出すようなファシリテイターとしての能力も求められる。今後、幅広い科目で必要な専門知を習得させながら、それぞれの講義運営に適した形でアクティブラーニングをどのように導入するのかが、教育新生に向けた改革の一つの鍵となる。
教授 見目 喜重