コラム
2011年度 「教育新生に向けた改革」
コラム「教育新生に向けた改革」は豊橋創造大学大学院の各教授により、
時代の変革をテーマに、中部経済新聞にて連載しています。毎月第2水曜日に掲載!
vol6. 今望まれる個性の発揮 初心を思い出すと
豊橋創造大学を4年制大学として創設されたのは伊藤昭彦前理事長である。氏から初代学長として「創造性豊かな人を」と依頼された神野信郎氏が知己の慶慮義塾元塾長にお願いし佐藤芳雄初代学長が紹介され、就任した(注)。今でこそ「創造性」という言葉が一般化しているが、大学に『創造性』を期待した前理事長の着眼と実践した初代学長の先見性にいまさらながら敬服するものである。その我が大学も開学後15年を経て、4大卒業生も1800人。最初の卒業生は33歳、企業内においても中堅となっている。学部大人気の中で入学した第1期生を初代学長は「不揃いの林檎たち」と表現したことがある。ビジネスとITを同時に学べる学部、他大学に先駆けて導入したAO入試、などの新企画、これらを実現する『寺子屋教育』、「鉄は熱い内に打て」の入門ゼミ、国際性を求める語学教育。まさに佐藤芳雄ロマンの実現であった。
原発、斑目委員長が「自由闊達な議論が不足していた。」と発言するテレビ報道があった。自由度の高さと権威主義に陥らない平等こそ教育の原点であろう。
いま大学は少子化の波に直面し同時に就職戦線も厳しい。就職試験に落ちて落胆する学生は、このような環境で気の毒だ。しかし、数日経つと極めて明るく回復も早い。まさに若者の特権だ。今地域の方々、産業界の方々が期待するのは、「不揃いの林檎」を揃える(少なくとも平均ぐらいにそろえる)ことなのか、不揃いを生(き)の人間として伸ばすこいとなのか。学生たちのリクルート姿やコンビニでのあいさつに直面すると、つくづく個性の発揮が望まれると感じるのだが。(注=『ありがとうを未来ヘ』神野信郎著、中経マイウェイ新書)
教授 森田 和正