コラム

2012年度 「産業界の改革に向けた提言」

コラム「産業界の改革に向けた提言」は豊橋創造大学大学院の各教授により、
時代の変革をテーマに、中部経済新聞にて連載しています。毎月第2水曜日に掲載!

vol10. 持続可能な社会構築に向けた取り組みの充実を

再生可能エネルギーの固定価格買取制度が開始された7月以降、大規模太陽光発電所(メガソーラー)の建設計画が相次いで発表されている。今年9月末には、その数は200件を超えた(経産相)。

こうした動きの背景には、破格の買取価格の設定により、太陽光発電事業が低リスクでリターンを見込める事業として評価されるようになったことがある。その是非についてはここでは論じないが、いずれにしても、こうした動きを一種のブームで終わらせてはならない。

環境が保存されて、初めて人類は生存できる。持続可能な社会の構築は人間の社会生活・経済生活の前提であり、必要条件である。企業にはその経済活動において、エネルギー・環境問題に対して自主的に取り組むことが求められる。そのために、環境経営に対する意識をより高めることが望まれる。

環境経営の基本は、日常業務・経営戦略に環境配慮を組み込む環境管理システム(EMS)を構築して、①従業員の環境教育を実施し、②業務の各分野で環境に配慮した取り組みを進め、③その結果を監査し、④また結果を総合的に評価して、⑤結果と今後の方向性に関する情報を開示することである。

その実践のために、EMSの代表であるISO14001は大手企業を中心に導入されてきた。また、比較的安価で導入が容易なEMSとして、エコアクション21(環境省)なども提供されている。勿論、独自にEMSを構築することも十分に可能である。

これまでにも多くの企業が環境経営に取り組み、成果を上げてきた。一方で、そうした取り組みの効果は2~3年を経過すると頭打ちとなることが多く、負担感だけが増して取り組み意識が低下してしまうこともある。そのため、技術革新を取り入れる、取り組み対象を転換する、あるいはグループ企業・関連機関にも取り組みを広げるなど、適宜見直しを進めながら活動の新鮮さを保つ工夫が求められる。

持続可能な社会の構築に向けて、できることを常に考え、それを継続できるような環境経営のあり方について、今一度考える時期に来ているように思われる。

教授 見目 喜重

専門:エネルギー工学、エネルギー経済学

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