コラム

2012年度 「産業界の改革に向けた提言」

コラム「産業界の改革に向けた提言」は豊橋創造大学大学院の各教授により、
時代の変革をテーマに、中部経済新聞にて連載しています。毎月第2水曜日に掲載!

vol12. 産業界への提言

変革のあり方が正に問われる時代である。同時進行の政治・経済環境と地球環境の大きな変化の中で、企業は顧客、競争相手に対する自社の資源をゼロベースで見直す必要性がある。従来のものの見方とやり方の部分修正によって事業を行い、展開していくだけでは、実のある新たな挑戦、新たな事業は起こせないし、成果も期待できない。これまでの自社の強さが将来の事業展開の弱みになりうる時代になっていることを認識しなければならない。変革の障害の最大のものは、不連続な質的進化をなしえないことにある。企業トップは、方向性を出すが、社員は不安感にさいなまれ、新たな行動のエネルギーが湧かないというケースも見受けられる。こうした状況下で変革のトリガーとなるものは何か、この点について提言をまとめたい。その第一は、当然ながらトップと社員のベクトルを統一しておくことが前提になる。特にここで行うべきことは、トップと辺境部門との相互理解を得る意思疎通が不可欠である。この辺境部門には、将来の利益源泉の種が埋もれている可能性があるからである。第二は、業績評価機能の再構築は避けて通れないテーマである。これまでの延長でない断絶的な進化を遂げるためのトップの仕事は、実績評価を新たに創造するという気構えで取り組むことである。ここでは、他業種の基準も参考にすることも有効である。第三は、外部組織との連携のあり方の再構築である。顧客の視点で、バリューチェーンのどのプロセスがどのように利益を生み出しているかの利益創出の仕組みの見直しとともにプロセスの統合・廃止とアウトソーシングのあり方も見直さなければならない。最後に、これらを実行に移すには、管理指向ではなく、組織の個人個人の活性化を最優先するという方針を明確に打ち出すことが不可欠となる。変革は、組織の思考パターンと行動様式を、未来に向けて変えていくことに他ならないからである。

教授 佐藤 勝尚

専門:ビジネスシステム、マネジメントシステム、技術・生産戦略(MOT:技術経営、イノベーションと経営)、組織戦略・人的資本マネジメントなど

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