コラム

2012年度 「産業界の改革に向けた提言」

コラム「産業界の改革に向けた提言」は豊橋創造大学大学院の各教授により、
時代の変革をテーマに、中部経済新聞にて連載しています。毎月第2水曜日に掲載!

vol2. 異文化理解に基づく製品設計の推進 
″日本製″復活に不可欠

 電子部品やハイテク製品において、台湾、韓国企業の進展が著しい。日本のお家芸とする液晶テレビにおいても、今や世界市場においては、液晶テレビとプラズマテレビの販売実績は、サムスン電子が18・7%で1位、LG電子(13・1%)が2位、日本のソニー(10・3%)が3位である(2011年2月調べ)。台湾、韓国の技術水準が高度化し、日本との技術力において差がなくなる中で、経営リソースの選択と集中を戦略的に進める台湾、韓国企業が優位に立っている。サムスンでは、製品投入する国々において、製品投入以前からその国の文化や生活習慣を十二分に調査し、製品仕様に反映させる文化マーケティングを徹底しているという。それが、ケータイ電話や液晶テレビでの優越性を生んでいるとも言われている。ケータイ電話で見る限り、日本製晶の高機能化を優先する戦略のため、世界市場での価格競争において劣勢を強いられている。

 今、中国市場において日本製家電が注目されている。おいしいご飯を作る炊飯器は中国企業にはまねできない技術であるようだ。日本製の家電では、隅々に利用者視点で開発された機能が埋め込まれている。機器の制御のような中心機能だけでなく、日々の維持管理のための製品衣装における工夫など、まさに、日本人のきめ細かい心配りが表現されている。この日本の強みを世界市場で活かすためには、文化の壁を越えた感性や思想の理解が不可欠である。まさに文化マーケティングによる解決が求められている。文化マーケティングによる異文化理解を通して、大陸での文化や思想にはない島国独特の日本人の特性を活かしたものづくりと販売戦略が、日本製品復活に不可欠である。そのために我々日本人が、諸外国に目を向ける開かれた感性や思想への理解を進めなければならない。グローバル世界におけるメンタルな文明開化が今、求められている。

教授 三好 哲也

専門:ソフトコンピューティング、データサイエンス、ヒューマンインターフェイス

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