コラム

2012年度 「産業界の改革に向けた提言」

コラム「産業界の改革に向けた提言」は豊橋創造大学大学院の各教授により、
時代の変革をテーマに、中部経済新聞にて連載しています。毎月第2水曜日に掲載!

vol3. 人材育成における産学協働 
産学協働による実践的教育プログラムの充実

 ここ数年、多くの大学ではキャリア教育の名のもとに就業力・社会人基礎力の習得を目的とした様々な取組が行われている。しかし、学生自身に主体性が欠けていればそれらの成果は得られ難い。

 多様化する学生個々の主体性を引き出すためには、学生に様々な社会を体験させて考えさせる機会を提供する必要がある。そのために、従来の大学の講義の枠組みを越えた産学協働の実戦的教育プログラムの充実が求められている。

 これまでも、例えばインターンシップを通して就業体験の機会は提供されてきた。しかしそのほとんどは3年次学生が対象であり、また「体験を含めた学び」という本来の目的に代わって就職・就活が主目的とされている点も否定できない。

 今後は人材育成を主目的とした低学年向けの教育プログラムの検討が必要である。近年、一部の大学と企業の協働でフューチャースキルズプロジェクトやコーオプ教育といった取組も始められている。前者は7社・5大学によるプロジェクトで、1年次学生がグループワーク形式で複数の企業の課題に取り組む。その課題出し、討論、発表に企業担当者も参加する。その目的は、学生の主体性を引き出すとともに、社会・企業の実態に触れて、社会で必要なスキルを学生が認識することである。最終的には、学生が大学での学びを目的化し、主体的に大学教育にかかわることが期待されている。

 後者は学生の職業意識の向上と専攻科目と現場の理論の実践を目的に、カリキュラムの一環として大学主導のもとに企業の協力を得て教育内容に就労を組み入れて実施するものである。

 こうした産学協働の取組は、企業に大きな負担を強いる。一方で、企業の人材育成にも大きく貢献する。例えば、ある大学のコーオプ教育プログラムでは、学生と若手社員によるグループワークが社員のプロジェクト管理能力やリーダーシップを育む機会にもなっている。

 将来を担う主体性を持つ人材の育成のために、大学の教育力の向上は勿論、従来の枠組みを超えた産学協働の取組を充実させることが焦眉の課題である。

教授 見目 喜重

専門:エネルギー工学、エネルギー経済学

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