コラム

2012年度 「産業界の改革に向けた提言」

コラム「産業界の改革に向けた提言」は豊橋創造大学大学院の各教授により、
時代の変革をテーマに、中部経済新聞にて連載しています。毎月第2水曜日に掲載!

vol4. コミュニケ−ション力が企業の命運を握る 
社会と対話築くブランド

 初めて来日してテレビニュースを見たアメリカ人経営者が、「日本企業の記者会見はお詫びから始まるのか?」と尋ねたというエピソードは、日本の企業経営者のコミュニケーション認識を有体に物語っている。

 自社の経営実態の良し悪しに関わらず、CSR(アカウンタビリティやコンプライアンス)を後回しにして、外にバレなければよいとばかりに、ダンマリを決め込む企業は多い。また有事の際に情報開示がお粗末になって信用を喪失する企業も後を絶たない。更には危機でなくても、「我社の柱はものづくりである。広報する余裕も必要もない。」という綻営者も多い。

 ある調査によれば、90%の企業経営者は、「関係先に我社のことはよく知ってもらっている」と答えたという。しかし別の調査では、一般消費者や社会の企業認識は、「90%近くが誤解、曲解、勘違い」であるという。これらは多くの経営者にコミュニケーションの必要性認識が欠如している好例に他ならない。

 ドライで冷酷な一般社会や消費者にとって、「企業のことを知らない」ことは「存在しない」に等しく、その上「企業は盲信できないもの」と警戒する傾向が強いことからすれば、情報発信しない企業は社会との対話と関係づくりを拒否しているのと同じことになる。現在は、単に取引先と良好な関係を持ち続けるだけでなく、社会と絶えず対話を重ねて信頼関係を築かなければ、経営は続けられない時代である。先の見えない中で経営を発展させている企業は、例外なく多様な情報発信を継続し、その積み重ねで社会から信頼を得てブランドを確立している企業である。企業経営者は、コミュニケーション力養成こそが企業展望開拓の支柱の一つであることを忘れるべきではない。

教授 川戸 和英

専門:企業の情報戦略/マーケティング戦略のコミュニケーション研究

2012年度一覧に戻る

もっとSOZOを知ろう。SOZOとつながろう。

PAGE TOP