コラム
2013年度 「能力開発の再構築」
コラム「能力開発の再構築」は豊橋創造大学大学院の各教授により、
時代の変革をテーマに、中部経済新聞にて連載しています。毎月第2水曜日に掲載!
vol3. いま求められるデータリテラシーの育成
携帯端末がスマホに進化したことによって、便利な時代になった。ユーザーは、スマホを通して、情報検索、メールやネット会議による情報交換を行い、意思疎通を図る時代である。一昔前は、調査のための情報源を熟知してそれを提供することがその人の専門的能力であった。仕入れた情報をそのまま伝えるだけでも価値が認められた。しかし、多くの情報がインターネットに集約される時代では、全員がその情報にアクセスできる。そのため、そのリソースの所在を伝えるだけでは、専門的役割を果たせなくなっている。このことは、情報伝達型の人材ではなく、情報を集約して自ら情報加工できる情報加工型人材が求められていることを示唆している。
新たな製品やサービスの市場調査や販路開拓において、リサーチ会社の報告や自らの経験・体験を通して計画を策定する場合が多い。これまではこのような方策による情報の中で意思決定されていた。現在は、販売情報やアンケートデータなど社内に蓄積されたデータを有効活用して、経験や体験による計画の確信度を上げることが求められている。
アマゾンの躍進を支える推奨システムは、購買履歴から買い合わせの割合を自動算出するシステムである。極めて単純な計算であるが利用者に有益で魅力のある情報である。そのことがアマゾンの売上を後押ししている。この例のようにデータからその本質を見ることは、将来に向かっての行動を支える一つの情報であり、この変化の激しい時代には、有用な知識となる。これまでは、大量のデータを蓄積、整理、分析するにも多額のコストと人材が必要であったことから、比較的大企業でないと対処できなかった。最近では、ベンダー各社からビッグ・データの分析ツールやノウハウが事例ごとに提供されるようになった。中小企業での環境も整いつつある。その意味で、今こそ、データリテラシーを持った人材育成が不可欠である
教授 三好 哲也